この記事を書いている現在は2021年12月だが、2009年2月発売のScanSnap S1500を中古で購入した。約13年前のハイエンドスキャナを買った理由を解説する。
私の利用用途としては、月に一度400ページの技術書(IT関連)をスキャンするときに使っている。利用頻度が高くなく、一度に大量にスキャンする人にはS1500がおすすめだから、ぜひ参考にしてほしい。
結論:利用頻度が高くなければS1500で充分。最新モデルと大幅な違いはない。
S1500は2009年2月発売のフラッグシップモデルだ。2021年12月時点のフラッグシップモデルはiX1600で、主な違いは以下だ。意外と違いは少ない。中古で1万円で買えるからS1500はかなりコスパが高い。
ScanSnap S1500(2009年発売)は、
- 読み取り速度が20枚/分
- 現行分離方式がパッド方式
- Wi-Fi接続が無い
- タッチパネルが無い
ScanSnap iX1600(2021年発売)は、
- 読み取り速度が40枚/分
- 現行分離方式がブレーキローラー方式
- Wi-Fi接続ができる
- タッチパネルで操作可能
以降、詳細を解説していく。
S1500の中古は1万円で買える
S1500の最大の魅力は安さだ。2009年発売当初は3〜4万円程度したが、2021年現在ではメルカリで1万円以下で購入できる。
原稿送りのためのパッドとローラーは消耗品なので、スキャン数が少ない方が良い。交換が必要になっても互換品が安価で購入できるのもS1500のメリットだ。
S1500と他機種のスペック比較
S1500 | iX1600 | iX1500 | iX1400 | iX500 | iX1300 | S1300i | S1300 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
発売日 | 2009年2月 | 2021年1月 | 2018年10月 | 2021年1月 | 2012年11月 | 2021年10月 | 2012年5月 | 2009年11月 |
価格コム最安値 2021/12/11時点 | – | 42,449円 | 45,004円 | 36,800円 | – | 32,258円 | – | – |
メルカリ価格 | 10,000円 | 42,000円 | 35,000円 | 35,000円 | 18,000円 | 30,000円 | 9,000円 | 7,000円 |
読み取り方式 | 両面読み取り 自動給紙 | 両面読み取り 自動給紙 | 両面読み取り 自動給紙 | 両面読み取り 自動給紙 | 両面読み取り 自動給紙 | 両面読み取り 自動給紙 (Uターン) | 両面読み取り 自動給紙 | 両面読み取り 自動給紙 |
読み取り速度 | 20枚/分 | 40枚/分 | 30枚/分 | 40枚/分 | 25枚/分 | 30枚/分 | 6枚/分 | 4枚/分 |
原稿搭載枚数 | 最大50枚 | 最大50枚 | 最大50枚 | 最大50枚 | 最大50枚 | 最大20枚 | 最大10枚 | 最大10枚 |
原稿分離方式 | パッド方式 | ブレーキローラー方式 | ブレーキローラー方式 | ブレーキローラー方式 | ブレーキローラー方式 | パッド方式 | パッド方式 | パッド方式 |
マルチフィード検出 | 重なり検出 (超音波検出) 長さ検出 | 重なり検出 (超音波検出) 長さ検出 | 重なり検出 (超音波検出) 長さ検出 | 重なり検出 (超音波検出) 長さ検出 | 重なり検出 (超音波検出) 長さ検出 | 長さ検出 | 長さ検出 | 長さ検出 |
インターフェース (USB) | USB2.0 B Type | USB3.2 Gen1 B Type | USB3.1 Gen1 B Type | USB3.2 Gen1 B Type | USB3.0 Gen1 B Type | USB3.2 Gen1 B Type | USB2.0 B Type | USB2.0 B Type |
インターフェース (Wi-Fi) | – | a/b/g/n/ac | a/b/g/n/ac | – | b/g/n | b/g/n/ac | – | – |
ScanSnap Cloud | – | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – |
ScanSnap Home | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
ScanSnap Manager | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ScanSnap Organizer | ○ (Winのみ) | × | × | × | × | × | × | ○ (Winのみ) |
液晶 | – | 4.3インチ TFTカラー タッチパネル | 4.3インチ TFTカラー タッチパネル | – | – | – | – | – |
バッテリー | – | – | – | – | – | – | – | – |
幅、奥行、高さ | 292mm 159mm 158mm | 292mm 161mm 152mm | 292mm 161mm 152mm | 292mm 161mm 152mm | 292mm 161mm 168mm | 296mm 114mm 87mm | 284mm 99mm 77mm | 284mm 99mm 77mm |
重さ | 3.0kg | 3.4kg | 3.4kg | 3.2kg | 3.0kg | 2.0kg | 1.4kg | 1.4kg |
S1500は『読み取り速度』と『原稿搭載枚数』のバランスが良い
ScanSnapは機種ごとに『読み取り速度』と『原稿搭載枚数』という値が決まっている。
- 読み取り速度:両面、片面を1分あたりに読み取る速さ
- 原稿搭載枚数:1度に設置して連続で読み取れる原稿の枚数
『読み取り速度』の値が大きければスキャンにかかる時間が短くなり、『原稿搭載枚数』の値が大きければ原稿設置の回数が少なくなる。
S1500は『読み取り速度が20枚/分』で『原稿搭載枚数が50枚』になっている。読み取り速度は最新フラッグシップモデルには負けるが、原稿搭載枚数は同じだ。非常にコスパの良いスペックになっている。
『iX500』『S1300/S1300i』はコスパ微妙
S1500以外にメルカリで割と安価(7,000~20,000円)に買える機種は2つあるがいずれもコスパは微妙だ。
- 2012年発売のフラッグシップモデル『iX500』
- S1500と同時期に発売のエントリーモデル『S1300/S1300i』
iX500はS1500の後継機種
iX500はメルカリで18,000円程度で買えるが、S1500との違いは少ない。
iX500がS1500より優れている点
- Wi-Fiで接続できる
- 読み取り速度がちょっと早い(25枚/分)
私の利用用途は月1程度で技術書をスキャンするかどうかくらいなのでS1500とiX500のスペックの違いに対して8,000円の価値を見出せない。
S1300、S1300iはS1500より下のエントリーモデル
S1300、S1300iは7000〜9000円で買えるエントリーモデルだ。エントリーモデルなだけあって、S1500よりだいぶしょぼい。
S1300、S1300iがS1500より劣っている点
- 読み取り速度が超遅い(6枚/分)
- 原稿搭載枚数が少ない(最大で10枚)
原稿搭載枚数が最大で10枚なので、400ページの技術書をスキャンしようと思ったら40回も原稿をセットしないといけない。なので原稿が多い本をスキャンしたい人は選んではいけない。私は値段に釣られるところだった。
400ページの原稿をスキャンする時間を機種ごとに比較する
技術書(400ページ)のスキャンにかかる時間を以下の条件で計算する。
- 原稿枚数は400枚
- 原稿の載せ替えを1回=1分
S1500 | iX1600 | iX500 | S1300 S1300i | |
---|---|---|---|---|
原稿設置回数 | 8回 | 8回 | 8回 | 40回 |
読み取り時間 | 20分 | 10分 | 16分 | 67分 |
総スキャン時間 | 28分 | 18分 | 24分 | 107分 |
最新フラッグシップモデル(iX1600)と比較してもスキャン時間は10分しか変わらない計算になった。私の利用用途は1ヶ月で1回技術書をスキャンするかどうかの頻度なので、このくらいの差であればS1500で充分という結論になった。
まとめ
2009年発売のScanSnap S1500を2021年にメルカリで購入した。スキャナの利用頻度が高くなくて、利用するときに大量にスキャンする人であれば、S1500が最もコスパが良いと思う。
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