世の中のどの程度の人がパソコンのバックアップを取っているだろうか。そもそもバックアップって何?のレベルなんだろうか。
今回はデータバックアップの必要性と、自宅でのバックアップ(ローカルバックアップ)とクラウドバックアップを併用したほうが良い理由を解説する。
ローカルバックアップについては、私が行っている低予算できる最低限のバックアップ手法を書く。自宅でバックアップする方法を調べると「NASを買え」「RAID組め」など、敷居と予算が高い手法が多く見受けられた。私のやり方では既に家にあるものだったり、安物で実現できる。誰かの参考になればと思う。
クラウド時代の今、自分でバックアップをする必要はあるのか?
2020年の現在、スマホの自体のバックアップや、写真のバックアップは殆どクラウド化されている。利用者があまり意識せずともAppleやGoogleがいい感じにバックアップを取ってくれている。私は声を大にして言いたい。個人のローカル環境でバックアップを持つ必要はあると。
ローカルバックアップを持つ必要性
クラウドバックアップは便利だし、ローカルバックアップよりデータ消失の危険性は低い。しかし、インターネットが使えなくなってデータにアクセスできなくなる可能性もある。また、クラウド自体も完璧ではない。クラウド上のデータが消失する可能性だって十分あるのだ。
もしそうなった場合に大切な写真が見られなくなるし、好きな音楽が聞けなくなる。で、あれば自分で取れる防衛手段は取っておいたほうがいい。これがローカルバックアップを持つ必要性だ。
雨山のパソコン構成
今はノートパソコン(CHUWI Aerobook)の1台だけ。以前は自作のデスクトップPCを使っていたが、マシンパワーが必要な作業をしなくなったことや結構古かったなどの理由で廃棄した。
廃棄する際に、デスクトップPCで使っていた3.5インチHDD、2.5インチSSDは手元に残した。今回は2.5インチSSDをバックアップ媒体として利用する。
バックアップ対象のデータについて
Aerobookは256GBのSSDを搭載していて、このSSDに収まる量のデータしか持っていない。今回は80GBが入るHDDであればいいが、もっと大量のデータをバックアップする人は、そのサイズに合ったHDDが必要だ。
写真・動画 | 40GB |
音楽 | 40GB |
合計 | 80GB |
3.5インチHDDのUSB化
USB接続のHDDやSSDを持っている人は割愛していい。古いポータブルHDDでもバックアップ対象のデータが入れば何でもいい。
デスクトップPCで使用していた3.5インチHDDは1TBある。ノートPCにSATA接続のHDDをつけるために、USB化する。HDD化はする製品は様々発売されているが、今回はロジテック製品を選んだ。
3.5インチHDDをUSB化するときはUSBバスパワーでの動作は無理そう。ACアダプターが邪魔だが仕方ない。2.5インチSSDを使う場合は、USBバスパワーで動作する製品が良いと思う。
HDDをUSB化したら、パソコンでとりあえずフォーマットしておく。
ドライブレターの固定
HDDを接続すると、Windowsが自動で認識してドライブレター(DドライブとかEドライブとか)を振ってくれると思う。バックアップの際にドライブレターが変わってしまうとコマンド化できない。ドライブレターを固定しよう。
やり方はいくらでも出てくるから「ドライブレター 固定」で検索。
robocopyによるバックアップ
SEなら知っている人が多いかと思うが、robocopyコマンドを使う。以下はDドライブからXドライブにバックアップを取得するコマンドだ。DとXを逆にするとデータが消えてしまう可能性があるので注意が必要だ。
D: バックアップしたいデータ
X: バックアップ先
robocopy D:\ X:\ /mir /DCOPY:DAT /XD "System Volume Information" "`$RECYCLE.BIN"
この手法のいいところは分かりやすい点だ。DドライブとXドライブを同期する というシンプルなバックアップが実現できる。また、Dドライブの特定フォルダだけをバックアップしたい場合も簡単に実現できる。
例えばDドライブ配下のMusicフォルダだけをXドライブにコピーしたい場合は以下の通りだ。
robocopy D:\Music X:\ /mir /DCOPY:DAT /XD "System Volume Information" "`$RECYCLE.BIN"
クラウドバックアップも併用すること
ここまでやれば、ハードディスク内のデータが複製された状態になる。ノートPCが故障してデータが参照できなくなっても、バックアップから復元できる。
クラウドが完璧ではないという話の裏返しにはなるが、ノートPCとバックアップが置いてある家自体が災害などで全損した場合はデータ復旧できるか分からない。その場合データがどうこう言っている場合ではないというのはごもっともだ。しかし家がなくなった上に写真などの思い出も無くなってしまうのは辛い。
備えあれば患いなしなので、災害に備えてクラウドによるバックアップを取ろう。クラウドによるバックアップはデータの物理的な位置を変えることになる。広域災害でもない限り、ローカルバックアップかクラウドバックアップのどちらかが生き残るだろう。(本人が生き残ることが前提)
私は以下のようにクラウドバックアップを取得している。
写真 | Google フォト | 画質が劣化(人間には分からないくらいのレベル)するが、無制限にアップロード可能 |
音楽 | Youtube Music | 10万曲まで手持ちの曲をアップロード可能 |
ドキュメント | OneDrive | 15GBまでアップロード可能 (ドキュメントファイルはそんなに容量を必要としない) |
結論:クラウド+ローカル を使えばほぼデータ損失しない
クラウドバックアップは仕組みが出来ているし、利用者にもわかりやすくなっているため、既にやっている人も多いかと思う。ローカルバックアップは選択肢が多いし、新たな機器を必要とすることが多く敷居が高くなっている。
NASやRAIDはどんなに安くても20000円近くするし、筐体も大きく場所を取る。本記事に記載した方法であれば、どんなに高くても5000円程度でローカルバックアップも取れるだろう。データ損失の悲劇に遭遇する人が少しでも減ればと思う。
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